やっぱり怖い伝染病
 口蹄病なんてのが出てますね。私の乏しい知識によれば、ウイルス性の伝染病で、口や蹄の皮膚や粘膜に水泡ができる、非常に感染力の強い病気で、ワクチンで予防ができるが、特効薬はないというあたりですね。
 さて、この病気に感染した2頭のに対して、防疫のために行われた処置は、この農家の飼育する牛のすべて、705頭が殺処分されました。そして、半径10km以内の20660頭の検査と、3506頭の牛の血液検査が行われているという大規模なもののようです。
 まったく伝染病なんて言葉は死語のような感じですが、わずか2頭の発症でこれだけの処置が必要であるとされると、改めて伝染病の恐ろしさというものを感じさせます。そういえば、天然痘なんて完全に過去の病気になったのですかね?しかし、完全に根絶やしになっているかは?わかりませんからね。
 しかし、人間にそういった伝染病が見つかった場合、たとえばペストなどが出たらどういった対策が講じられるのでしょうね?まさか、発症した2人の人間と、その人たちに接した705人を殺処分し・・・なんていきませんからね。しかし、大勢の人を隔離検疫しなければならなくなりますね。そういった対応って近頃どうなっているのでしょうか?
 海外渡航者がアジア型のコレラを持ってくることなんか聞きませんからね。でも、伝染病とか忘れた頃に現れて猛威を振るうのかもしれませんね。だって、嫌な話ですが、細菌兵器、近頃は生物化学兵器と呼ばれているやつですね。これだって、兵器として研究開発されたこともあるし、どこかで誰かが使う可能性を考え、防疫部隊を持っている国がほとんどでは?
 まあ、牛の場合で、これだけ神経質になるものですから、人間に対して故意に伝染病を流行らさせたとしたら、サリン事件より恐ろしいものとなりますからね。何しろ、保菌者が菌をばら撒き移動を続けるということですからね。サリン事件では、サリンの撒かれた場所に近づかなければ問題ないし、一度除毒が行われれば、それ以上は広がりませんが、この現代、人が高速で移動しているときに、いつ撒かれたかわからず、何処で感染したかもわからず、日本各地で一斉に潜伏期間が過ぎると、発症するなんて考えると、非常に恐ろしいことのような気がします。
 そういえば、中世に大流行をみた、黒死病とかペストとかいわれるやつですが、森林の伐採による里山の崩壊による、生態系の破壊により、住処を追われ、同時に天敵を失ったネズミが人間との接点を多く持つことと、そのネズミがペストに感染したという相乗効果で説明されることがありますね。
 近頃、生態系の破壊が問題にされることがよくありますが、生態系の破壊に伴い、今までは人間には無関係と考えられてきた疫病が人間の上に降りかかってこないことを祈るしかありませんね。
 いま、ふと思ったのですが、天然痘を的確に診断できるお医者様は日本にどれくらいいるのでしょうか?こういった、伝染病対策のインフラってどの程度のものなのか、ちょっと気になりますね。