恐竜の心臓の化石だって!
 恐竜の心臓の化石が発見されたのだそうです。しかし、どんな化石なんでしょうね?ちょっと興味深いですね。まさか、博物館に展示されている発掘年代の古い非常に良好な化石標本って、案外どれも、そういった器官の化石を含んでいたのかもしれませんね。だって、化石収集家が発見し、肋骨の保存状況が良いので、開業医の先生がCTスキャンを行っての発見ですからね。普通に骨を取り出すような発掘とその後処理だとこなごなにされてしまうはずですからね。まあ、技術の進歩ってすごいものです。それと、記事の書き方からすると・・・「化石は1993年に化石収集家が見つけた。ろっ骨の保存状態が良いため、開業医のアンドリュー・クズミッツ医師が胸部をCTで撮影した。」とありますからどうも素人研究家の快挙のような感じですね。先入観にとらわれず、別の切り口として自分の利用できる機材を使っての発見ですかね?しかし、開業医でCT設備を持っているなんて?リッチですね。
 さて、だんだん科学の進歩が太古の謎を少しずつ解明してきているぞ!という感じが出てきますね、こういった発見って!
 今回の発見で目玉はなんといっても「グレープフルーツ大の心臓は4室に分かれているとみられ、大動脈のような管が1本あった。」というやつでしょう。
 さて、心臓のつくりって?普通は心房と心室があるといいますね。心房には静脈が、心室には動脈がつながっています。静脈は心臓に血液を流し込み、動脈は心臓から送り出される血液が流れるので、太い動脈が切れると、血がピュピュと脈を打って噴出すのでしょう。(ちょっと野蛮!)静脈の流れが静かなわけは?それは、体の各部の毛細血管を通り抜けてきたために流れが均一になっているからでしょうね。
 脊椎動物、つまり背骨を持つ動物の心臓の構造なんですが、脊椎動物は魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類に分類されます。このうち、魚類は1心房1心室、両生類は2心房1心室、爬虫類は2心房不完全な2心室、鳥類と哺乳類は2心房2心室ですね。
 さて、つくりが違うとどこが違う?魚類は肺呼吸をしませんからちょっと違うかな、静脈から心房へそして心室から動脈へ押し出されて、えらへ、ここで酸素をもらって全身へ送られるというわけですね。なんと単純、お魚が必死になって泳ぐなんてことはあまりなさそうですから、単純な構造で何とかなるのでしょうかね?そういえば、回遊魚などの赤身の魚ってあの赤い色素に酸素を蓄えていましたっけね。多分ゆっくりためて一度に使うなんて芸当を持っているからですかね?
 両生類は魚類よりちょっと陸地向きになっていますね。魚の浮き袋がちょっと変化して肺を形づくっていますね。ひれは四肢へと変化を見せています。イクチオステガIchthyostegaが古生代デボン紀の地層から発見されたのでしたね。これが最古の両生類ですね。両生類の心臓は肺循環と、大循環(体循環)の分離が不完全ですね。肺循環で心臓から肺へ送られる血液は、大静脈から右心房にそして心室から肺へ送られます。そして、肺から戻ってきた酸素の多い血液は、左心房から心室に入り、ここから大動脈へと流れ、体全体へ流れていきますね。心室が1つなので、酸素の少ない静脈血と酸素を多く含む動脈血が混ざってしまうんですね。
 そして爬虫類、爬虫類は両生類よりちょっと高等ですね。一応左右の心室に分かれています。しかし、左右の心室の間の壁に穴があいていますから、動脈血と静脈血が混ざってしまうんですね。これだと、あまり暴れられませんから、そういえば人間でも先天性の奇形で心室中隔欠損症なんてありましたね。心室の壁に穴があいたままで生まれてくるやつです。恐竜はきっと酸素の多い血液をからだ全体に送って活発な活動をしていたのではないか?なんていわれているのでしょう。
 まあ、それぞれの中間の生物がいるようですから、恐竜って哺乳類と爬虫類の中間的な存在だったのですかね?しかし、ずいぶんときれいに絶滅していますよね恐竜って、こちらの理由の方が知りたいですね。