株ってバブリー?
 株って、バブリーな代物なんですかね?だって2000年4月17日に史上5番目の下げ幅を記録し、1日で株の時価総額が26兆円目減りしたなんて報道がありましたからね。
 株って2種類の価格がありますね。額面価格と市場価格、時価なんて言うやつですね。株って本来配当を目的とした投資ですよね。白鯨などを読むとよくわかります。船には出資者がいます。そして出資者の投資により捕鯨船は外洋に出て鯨を取り利益を上げて帰ってきます。そして、航海で上げた収益を出資者に出資額に応じて分配することで成り立ちます。エイハブ船長が自己の目的のために、出資者から預かる船をモービィディックへの復讐へ使おうとするとき、反対が起こるわけです。さて、ピークォド号への出資が安定しているのは、ピークォド号が安定した収入をもたらしているからですね。出資者は出資した金額だけのリスクを負います。現実にモービィディックにピークォド号が沈められてしまうと、出資額は帰ってこないという単純なものです。
 まあ、こういったものを背景として、資本を集める際のものとして株券が登場するわけですね。たとえば、優秀な船長と船乗りが集まって、船を持とうと計画し、株券を発行します。1株5万円とかで、船を手に入れるのに9000万円航海に必要な装備が1000万円としましょう。あわせて1億円、船長はお金持ちで6000万円で1200株を取得、残りの4000万円分800株を公募します。たとえば、一航海の利益から、次回航海の準備品の取得のための1000万円と船の修理費500万円、船の取得にかかった借入金の分として1航海500万円分を引いて残りの利益を株主に配当として与える、1航海で1株あたり1万円くらいの配当になるだろうとなれば。出資者は5航海で額面価格に等しい利益を得られると考え、この株の取得に走るでしょう。そうなると、市場原理が働いて、欲しいものは5万円以上の金額を要求してくるということになりますね。数航海を経て、予定より高い配当を得られることがはっきりすると、当然5万円ではなく1株20万円くらいで取引されるとします。そうなったときに5万円で入手した人が20万円で売ると、その売却益が15万円でてきますね。これがキャピタルゲインというやつにあたります。保有資産の値上がりによる利益ですね。
 さて、ここで、投機と投資の違いがわかりますね。船長の心意気と船のためとまあ、それによる配当が目的で資金を出すと投資、株の値上がりを期待して、値上がりしたら売っちゃうのは投機ですかね。でも、この株の価値の安定化に寄与するという意味では、投機も投資?
 まあ、いいかげんな話でしょうがそういったところですね。でも、案外立派な船を買うのかと株を買って投資したつもりが、船長は食わせ物、船はボロ船という場合もあるかもしれませんね。ひどいのになると、ボロ船に多額の保険金と株の売却益をもって船を沈めて保険金をせしめるなんてあるかもしれませんね。船長は株を売り払ってその売却益と保険金を持って逐電すれば・・・すばらしい舵取りを自分のためにしたことになりますかね?
 まあ、いずれにせよ、株券は額面価格より高額で取引されているようですから、その意味では基本的にバブリーな代物なのかもしれませんね。
 しかし、キャピタルゲインの反対のキャピタルロスだって、本来売買がなければ気分的に損をしているだけですからね。損をしてまで株を売る必要もないのですが、やっぱり売りますかね?