1936年オリンピック、ベルリン大会
 1936年ベルリンオリンピックの記録映画をちょっと見ています。民族の祭典というやつです。ナチスは映画を武器に何と戦ったのでしょうか?ちょっと興味深いですね。ギリシャローマへの憧憬とドイツの優位と同盟国の栄光を歌い上げた映像ですね。
 ナチの企画っていまだにさまざまなところで、その命脈を保っているような感じです。それだけ美しく、完成されたものを提供したのでしょうか?
 さて第11回ベルリン大会1936年に行われています8月1日に開会が宣言され、16日に閉会しました。49の国が参加し、4069人の参加選手によって行われました。当時、ドイツで絶対的な権力を振るったヒトラーが国威宣揚のために行った大会ですね。
 前回の1932年第10回ロサンゼルス大会を凌ぐべく企画されたものです。ロサンゼルス大会は7月30日に開会8月14日閉会です。こちらの大会には38の国から1411人の選手が参加していますから、大会規模は飛躍的に大きくなっています。ロサンゼルス大会では、10万5000人収容の大競技場をはじめ巨大な競技場を作っています。そういえば、1984年のロサンゼルスオリンピックも同じスタジアムを使って今したっけ。しかし、当時のロサンゼルスは田舎だったようで、大きなオリンピック村などの作っていますが、ヨーロッパからの参加は比較的少なかったようです。日本は近場ですから水泳日本、三段跳び、で名をあげ、さらに男爵西がウラヌスを駆って大賞典障害飛越競技で優勝して、一躍有名になったやつですね。どうも男爵、バロンはもてるようです。
 さて、このようなロサンゼルス大会を凌ぐものとして企画されたベルリンオリンピックはさまざまな新機軸を用意していました。
 なんと言っても、ギリシャで採火された火が人々のリレーによってベルリンに運ばれています。例のトーチリレーがこの大会から始まっています。このリレーの裏では、ドイツ軍参謀本部が兵要地調査が行われていたという話です。まあ、使えるものは何でも利用というところですかね?
 それから、この大会ではメダルのほか、優勝者にはオリーブと樫の苗木が授与されています。このとき配布された苗木はどうなっているのでしょうか?ちょっと気になりますね。
 競技場などの質や前宣伝や、各国が国の威信をかけて参加したらしく、この大会では世界記録・オリンピック記録が150も塗り替えられたという意味では非常にレベルの高い競技が行われたようです。
 有名なところでは、黒人嫌いのヒトラーのあてつけか?米国のオーエンスJesse Owens (1913―80)が大活躍しています。Jesse Owens CMG Worldwide represents many famous legends of the 20th Centuryこれが、オーエンスのオフィシャルサイトです。この大会で、オーエンスは短距離、ハードル、走幅跳びに三つの世界記録を出し四つの金メダルさらっていきました。
 他には、日本の前畑選手が200メートル平泳ぎで優勝、なんと言ってもNHKの河西三省アナウンサーの「前畑がんばれ」で、頑張れ!が有名になり、良い意味で「頑張る」が使われるようになったようです。
 あとは・・・美談ですかね例の銀と銅のメダルを切ってつないだやつ、棒高跳の西田修平選手と大江季雄選手が2、3位を分あいメダルも分けてくっつけて「友情のメダル」をこしらえたというやつですね。
 さて、映画の方へ戻りましょう。この民族の祭典・美の祭典というやつはリーフェンシュタールLeni Riefenstahl (1902― )Leni Riefenstahl Bio - German-Hollywood Connectionこちらはまだ生きて居られるようですね。俳優さんです。後に映画監督として名を馳せます。絵も描きましたっけこの人、最近ではアフリカのヌバ族の写真集を出していたと思います。この民族の祭典の他、ナチの1934年の党大会の記録映画、意思の勝利なんかも撮っていましたね。
 映画は面白いですね。特に記録を元にした映画は、しかし、結構脚色があったり、取り直しをしていたり結構いろいろなようです。しかし、この時代あたりから、いんちきでない、本物のドキュメンタリーに近くなったようです。第一次世界大戦の記録映画っぽいのも、ヨーロッパ戦線の映像が米国でイギリスでとか撮影されていきますからね。そうだ、今度、そのあたりの資料もあさってみましょう。もうすこし、集中して映画を見ないといけません。