階級闘争
 階級闘争なんて言葉がありますね。革命の前提になりそうなものです。そもそも階級って何でしょうね?そのあたりから始めないと、本質を見失いそうな感じがします。しかし、階級の他には階層とかもありますから厄介ですね。人間のグループ分けですから、見方が変われば区分が変わるわけですね。身分もそうですね。まあ、なんでも良いですから始めてしまいましょう。
 階級って言うと、漠然とした概念ですね。富とか権威とか威信、名誉とにかく何かで括れるものですね。価値判断の基準に依存した人間の集まりといえるでしょう。さて、こういった不公平?合理的な分類で成り立つ上下関係とか優劣の関係、貧者富者とか支配と被支配の関係とか搾取するもの搾取されるものとか悪い意味での区別・差別化が図られると不幸な階級闘争が始まるのでしょう。
 まあ、伝統的な階級というと、閉鎖された階級であるカーストとか貴族・平民の関係とかそういったものですね。こいつはちょっと動かしにくいやつですね。
 この階級というやつは社会構造の評価によって浮かび上がってきますね。ちょうど社会構造がどうなっているのか考えるときの価値観によって明らかにされます。ですから、ちょっと見ようといっても見えません、そんな社会構造の根底にあるものなんですね。逆にいえば(普通ですかね)階級は境構造の根底にあって、その社会の性格を決めるものである!なんて言うことになるのでしょう。でも、階級意識が生まれるとき、はっきりとした対象として見えてくるのですからね。そして、自分がある階級に属しているという意識が芽生えると、何かの行動が起こるのでしょう。自分が支配階級に属していると気づけば支配者として、被支配者であると感じれば服従かそれとも闘争の相手を見出すということでしょう。
 さて、この階級意識が芽生えると・・・不幸の始まり?それとも幸福をつかむ道への第一歩が踏み出されるということですかね?何しろ、その階級という漠然としたものが生活のすべてに染み込んでいて、それによって自分の行動が規制されていることに気づきますからね。あとは、一人一人の心の中での葛藤が始まります。ああ!不幸だ!!この幸福が続いてくれ!でもこの幸福を脅かすものがある!!とか疑心暗鬼が生まれますね。さて、こういったものに気づくとね・・・そして、どこかでたとえば経済格差が縮まると、つまり、何らかの対抗手段が取れるようになると大変ですね。
 階級に関する見方も歴史的なものがありますね。アリストテレスに言わせると、個々の人間の素質に基づく自然的なものと考えていたようです。戦時捕虜からの奴隷なんかどう考えたんでしょうかね?自由な人間だけを規定したならわかりますね。スコラ哲学なんかだと経済的な分業制にともう自然発生的な秩序ですかね。天職による分類?とでもいいましょうか?そして18世紀にもなると、お金の発言権が大きくなってきますね。多分、富の流動化によるものでしょう。こうなると、ちょっと様子が変わっていきます。貨幣経済以前は生産財を持っているものの所に富が集まるわけですからね。貨幣経済の発達により、富は労働により獲得と蓄積が可能になります。そして、労働によって獲得した富を生産財へと変化させられれば・・・伝統的な身分に楔を打ち込むことが可能になります。こうなってくると研究対象としても面白くなってきますね。経済活動により新しい身分が誕生してくるのと同じですからね。
 そして、ファーガソンとかA・スミスの分配の不平等とか、サン・シモンの土地所有の貴族と産業資本の企業家の捕らえ方とか・・・そしてマルクスの登場で、不満の理論化が起こるわけですね。革命は必然である!の世界ですかね。プロレタリアートね!
 さて、マルクスに言わせると階級を2つに分けて資本家階級をブルジョワジー、労働者階級をプロレタリアートとしたんですね。不労所得者層と労働所得者層に分けたということです。そして、持てる者と持たざるもの差を明確に分ける言葉も発明してくれますね。資本家・資産家に対して無産階級、そして極めつけは搾取ですね。
 おまえらは搾取されている!菜種と同じで絞れば絞るほど金が取れ、資本家はそれでさらに肥え太る!おまえら農村から出てきたんだろ、農地は資本家の持ち物さ!、やっと手に入れた土地だって、みんな取り上げられてしまったろ!働くことは、敵を強くすることだ!彼らは我々が働かなければ、彼らの中での競争に勝てない、今こそ彼らから譲歩を勝ち取ろう!さあ、ストライキだ!!となるのでしょうね。
 しかし、革命は必然だったはずですがね?ロシアでは起こりましたが、アメリカでは未だに起きませんね。アメリカンドリームが、労働者を資本家たらしめる革命だったのかもしれませんね。こういった小さな革命が、巨大な革命を引き起こさせなかったのかもしれません。技術や学問の進歩が革命の形式を変えたのかもしれませんね。希望が革命の火を消したのでしょうか?
 まあ、ブルーカラーの上にホワイトカラーという中間層の創出により社会は安定したのですかね?なんだか士官と兵の間に兵から上がれる下士官を作ったみたいなものですね。しかし、近頃の景気の大後退や失業の不安と、倒産の危機、これらのもたらす生活苦の増大なんか・・・まったく悲観材料ですね。それでも、社会保障制度などによって一応守られ、金融政策・財政政策などで国の資金の続く限りは何とか安定させているという状況ですからね。なんだか金の切れ目が・・・の世界のような気がします。
 ああ、あとはインターネットで一攫千金を狙うしかありませんね!さあ!資本家になろう!!こうなると階級闘争のパターンを上手に読まないといけませんね。搾取する側に立てるのならね。どこかに、労働者の正しい搾取の仕方なんてありませんかね?労務管理ってもしかしたらこれ?