理科の知識分野について 1
 少しは理科の知識といきますか。理科の入試問題で厄介なのは解答が出せないものがあるということです。塾の公開テストなどではあってはならないような問題が平気で出題されるというやつです。たとえば、幼虫のときは地下で生活する昆虫というもので、選択肢の昆虫がハチ・ハエ・トンボ・セミ・・・とかでした。良い子はセミを答えるのでしょうが悪い先生はハチってなんだ?となってしまいます。こういった漠然としたものって困ります。同じ問題で、水中に卵を産むものなんていうのもありました。良い子はトンボって答えるのでしょうが悪い先生は、トンボは水底の土の中?それとも草の茎?とか余計なものを沢山考えてしまいます。
 実はこういったものが本番の入試で出題されたりします。入試問題としては成立しますが、受験屋として正解は?と聞かれると困ってしまいます。さすがに公開テストなど、解答・解説をつけるものでは、あいまいな問題を出題することは許されないということです。こういう問題を眺めると、模範解答を公表しない学校側の強みを感じます。
 さて、こういった問題が出題されたときはどういった解答を作成すればよいでしょうか?結局無難な線を狙うしかないというのが本音ですね。明らかに出題ミスと思われるものもありますが、まあ、表面立ってごたごたが起こることもまずありません。
 さて、理科の学習の上で必要な知識とはどこまでを言うのでしょうか?一応は小学校で履修した範囲というものがあります。しかし、この範囲は事実上有名無実ですね。特に長文を出されると、国語の問題か理科の問題か不明瞭になってきます。まあ、一般に非常に長い文章を読ませるやつでは実は読む必要がほとんどないものもあります。人の手の指の問題がなどを出題する学校がありましたが、ほとんど基本読解の世界となってしまいます。
 それに対して、本格的な読解力を要求する学校もありますね。麻布がその代表でしょう。知識は本文で説明してあれば何を出題しても良い!なんて思っているのではないかと思うぐらいの充実ぶりです。しかも、手馴れたもので、しっかりと条件を読み解かないと解答できないように作るのですからにくいものです。麻布のそっくりテストなんかを作成するとなると、非常な労力と集中力が要求されましたね。あの問題で8割強の正解を出すためには大人でも大変!というものです。いや、十分に鍛錬された小学生でないと解けないといったほうが良いのかもしれません。
 つまり、中学受験での理科の知識というのは、先ずさまざまなことを知っているだけではなく、読解力が必要で、しかもそこで類推ができないといけないということでしょう。柔軟な頭脳を要求されるものです。これを教えるとなると教師の方も単なる暗記を重視するだけでは困難になります。だって過去に出題された問題で知識でとくことができるものはすべて暗記させないといけませんからね。まあ、このあたりが中学受験で理科が難しいと言われる理由なのだと思います。そうそう、他には計算問題がありますからね。