117クーペの電装系のトラブル 2
 前回は点火系で終わりでしたね。他にも問題がありましたね。それは始動系と発電系でした、始めはどこが悪いのかよくわかりませんでした。とにかくイグニッションキーをまわしても、力強くクランキングが始まるというわけではありませんでした。原因の1つは発電がいつもちょっと不十分というやつでした。ですから、冬場になると不調でした。走っているときは問題ないのですが・・・寒いときの始動が困難でしたね。電装系をテスター片手にチェックしても原因はなかなかつかめませんでした。ところが、ある夜、ボンネットを開けると、ちらちらと火花が飛んでいるところがありました。発電機の制御を行う配線のコネクターの中でした。
 一応、電気が流れているので、発電しているふりをしていたというやつです。テスターでのチェックでは導通があるのですが、エンジンがかかった状態では、つながったり切れたりを繰り返して、発電量が不足していたというわけです。発電機を単体でテストしても、正規の発電量が確保されているので、見つけにくかったものでした。
 コネクター部分の不調の原因は、エクゾーストマニホールドに近かったため、高温で導線の被服材が劣化し固くなり、そのための断線のようでした。処置としては、配線を10センチほど切断して、耐熱性の高い導線を使い、外皮にグラスファイバーを織って作ったチューブをかぶせて、耐熱処置をしました。まあ、真空管アンプなんかを作りますから、耐熱線材なんかのストックがありますからね。
 これで、発電機は完全に調子が戻りました。しかし、古い車の始動系はなかなか調子が出ませんでした。結局、外部からのチェックでははっきりしませんでしたから、仕方なしにスターターモーターをはずして分解整備を行いました。分解は単純でしたね。あけてみると、原因は一目瞭然でした。ブラシが短いんですね。まあ、古くなった上に、始動不良でスターターモーターを長時間回したということも原因として挙げられるでしょう。結局ブラシ4個交換しました。もとのブラシの導線はスポット溶接でついていましたが、そんな器具は・・・というわけで、半田付けでおしまいにしました。
 これで、エンジンルームの電気配線は完璧でしたね。まあ、小さなトラブルはありましたが、アースであるとかきちんと取るようにしましたからそれほど大きなトラブルは起こらなくなりました。冬の寒い朝も一発始動でしたからね。
 電気関係でのトラブルは、他にはあまりありませんでした。まあ、ここまでのことだと、車の電装系のほとんどですからね。ほぼ、壊滅状態だったということになりますかね?
 さて、あと1つ修理が面倒だったのがリアデフォッガーの配線でしたね。例のリアウインドウにくっつけてある配線です。古い車なもので、このガラスの上の配線が切れていたんです。普通は銅の粉が混ざった接着剤のようなもので切れた部分をつなぐのですが、3cmぐらい剥がれ落ちているとこんな手段は使えませんからね。結局、プリント基板を補修するのに使う銅のテープの細いやつをさらに細く切ってつないで修理しました。
 そういえば、近頃ハードディスクでフレキシブル基盤?の配線を切断したやつが安く売っていますね。これも同じように補修することができそうですね。テフロンテープで裏打ちして、表面をペーパーがけして、銅の補修テープでくっつけて半田付けでいけそうですね。今度1つ仕入れてやってみますかね。
 まあ、近頃の車の電装系の配線やコネクターの質は高くなっていますね。昔のは、ちょっと古くなると粉になっちゃいましたからね。