300gで死ねる劇薬?
 抗がん剤が国立神戸病院から盗まれたそうです。なんと劇薬なんですね抗がん剤って・・・まあ、もとは普通の人間様の細胞であるがん細胞を殺すか何かするんですから、そりゃ劇薬ですね。そういえば、最近英語の読めない医師が点滴でしくじったような事件がありましたっけ。
 さて、この劇薬の抗がん剤など2500錠など3種類の医薬品6500錠(約170万円相当が無くなったという被害届ですが、ただの盗難事件なんですが、劇薬指定があるというのでちょっと面白いコメントがついていますね。
 なんと、盗まれた抗がん剤の致死量は300gで錠剤換算では約1500錠なんだそうです?なかなか強烈な?劇薬です。どうやら、この薬品で自殺を図ろうとすると、飯茶碗で山盛りでは足りない量を飲まないといけないのでしょうね。どうやらたいしたことはないようです。しかし、170万円相当ですから結構高価ですね。
 しかし、劇薬ってなんでしょうね?ちょっと気になります。おぼろげな記憶によれば、毒薬より効果が薄くて、薬理作用が強かったり、使い方では毒にもなるようなものですね。まあ、今回のものは薬ですから薬事法で定められたもので、用法用量を守らないと死に至るぞ!ってわけでしょう。
 ちょっと薬事法をチェックしてみますかね。薬事法44条2にありますね。「劇性が強いものとして厚生大臣の指定する医薬品(以下「劇薬」という。)は、その直接の容器又は直接の被包に、白地に赤わく、赤字をもつて、その品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。」
 しかし、こんなものを盗んで何をするのやら?譲渡の手続きも46条に規定があって、「薬局開設者又は医薬品の製造業者、輸入販売業者若しくは販売業者は、毒薬又は劇薬については、譲受人から、その品名、数量、使用の目的、譲渡の年月日並びに譲受人の氏名、住所及び職業が記載され、かつ、譲受人の署名又は記名押印のある文書の交付を受けなければ、これを販売し、又は投与してはならない。」というわけですから、書類が必要ということですね。
 しかし、何のために盗んだのやら?転売するのもちょっとね。精神に影響を与える薬ではありませんからね。しかも致死量300g?mgならそこそこな毒性ですが?これって、体重60kgぐらいの人が300gのむと半数が死ぬという計算ですか?300÷60=5gってことはLD50であらわすと5000?
 まさか、盗まれた薬品は劇薬の指定があるものですが、毒性は非常に低くて、死ぬには300gも服用しなければなりません。錠剤に換算すると、なんと1500錠も一度に服用しないと死ねないような薬なんです!って安全性を強調したつもりだったのでは?
 まあ、表現次第ですね。劇薬が盗まれた!と声高に言われると、そして致死量なんってものがでてくるとね。しかし300gってすごい量ですね。食塩だって一度にこれくらい食べると死ねそうですね。ちょっと不思議なニュースでした。