近頃の風潮
 ちょっと、塾講師の派遣会社でおしゃべりしてきました。そこで話題になったのが、近頃講師の成り手が少ないのだそうです。まあ、近頃の不況の影響で塾業界が大打撃を受けているというためもあり、かつてのような高額の講師料を払えないというところが多いためでもあるようですが、それだけでは説明がつかないような現象であるようです。
 色々、アンケートなどの結果集計に目を通すと、どうやら、勉強させるために、自らが勉強しなければならないことが近頃流行らないようです。
 確かに、1時間の授業を行うには2時間の予習が教師に必要ですね。まあ、その予習した結果に対して、3回乃至4回の授業があれば十分にその努力に見合うものですけれどね。
 ところが、近頃の少子化の影響か?同じ範囲の授業を2度することが少なくなったという事情もあります。また、塾の教師のコマ単価が高いのは?何しろ、1日の授業時間は長くて4時間ですからね。そうなると、一般のバイトの賃金相場の3倍をもらわないと割に合わないという事実もあります。まあこれは8時間労働というものを基準としてですがね。
 しかし、近頃の風潮では何かのために努力するなんて、あまり考えていないのかもしれませんね。とにかく、願望が中心のようです。願望といっても、棚から牡丹餅式の僥倖を狙うというやつですね。あるアイテムをそろえると、自らがパワーアップするとか、非常に素朴な信仰に根ざした行動を取る人間が多くなった?ということですかね?
 それと、ちょっと気になるのはITというものですね。話題ばかりが先行しているような?それは、近頃のコンピュータ関連の雑誌の売れ行きです。近頃、あまり雑誌を買いませんし、雑誌の出版統計なども見ていませんからはっきりしたことはわかりませんが、コンピュータ関連の雑誌が減ったのでは?
 減っていないにしろ、書店によっては売り場を縮小しているところがあるようです。ちょっと前、そうですね3・4年前に比べるとね。
 非常にいいかげんな推測ですが、もはや家電の領域であると、購入した人たちが失望したのでは?と思ってしまいます。TVと同じ情報家電だと勘違いした人は、当分手を出しそうもないですからね。インターネットをやるぞ!と意気込んで・・・結局はメールのやり取りを始めたが、キーボードに慣れられなくて・・・大体、手紙を書く習慣がなくとなれば、書き始めて慣れるまでに、どれだけの人が挫折するやら?
 Dosの頃はコンピュータを買ったが、起動することすらできなかった人がいましたが、近頃はそういうことはないようですね。ソフトもインストールできるし、ゲームだってDosの時代とは違って簡単に動きますからね。以前は、コンピュータを設定することができないと、コンピュータユーザーになれませんでした。その敷居が低くなって、以前に倍する、コンピュータを扱える人間が誕生し、それがWindows95時代を牽引したような気がします。しかし、これらの努力型のユーザー以外は、ただ買っただけの状態であるのかもしれません。
 何しろ、普通の家庭でコンピュータの有用性はあまり考えられませんからね。そうすると、ここでも、努力型の人間と、なんとなく、他力本願的に行動する人間の差が出てくるような気がします。やはり、人間の素養の問題ですか?しかし、コンピュータはTVと違って操作がね。とにかく何か働きかけてやらないと動きませんからね。
 果たして、誰もが使えるといえるものになれるのでしょうか?HAL9000のようなものだったら?でも、あんなにお悧巧さんなしゃべり方をされたらちょっと大変ですね。やっぱり、TVが楽ですね。マルチチャンネルなんって、何百チャンネルのあったとしたって、見るものは毎日あまり変わらないでしょうしね。人間って保守的な生き物なんですかね?