ネズミの空間把握能力について
 近頃、仕事場をねずみが跳梁跋扈しています。まったく人様のお食事を齧ってくれたり、この前は電話線も噛み切ってくれました。まったく困ったものです。
 さて、この間、ねずみが、かなりの数を認識できて、チンパンジーなどを凌ぐ能力を持つという実験結果がでたとかいう報道がありました。そこで、ちょっと疑問を感じたわけです。私が齧られたやつは、下から2番目の引き出しに入っていました、侵入経路は机の引出しの下部の隙間、そして引出しの一番奥の空間を駆け上がって2番目の引き出しに侵入しています。
 そこで、ちょっと粉を撒いて正確な侵入経路を確認しました。それによるとかなり、正確に順路をたどっています。そして、ほぼ垂直で足場もあまりない暗黒の空間を駆け上るという特技を持っていることが、足跡の状況から確認できました。2度ほどそれを確認した後、今度は障害物を経路に置いてみました。障害物といっても、紙筒を置いたのでしたが、それでもほぼ同じ経路を数度のチャレンジの跡を残してクリアーしていました。
 夜、ネズミが勝手にやることですから、さらに実験です。机の引出しの桟の部分を足場にして登ってくるので、ダミーの桟をつけておきました。しかし、このダミーの桟に騙されませんでした。きちんとダミーの上に足跡を残して、すばやくしかも正確に駆け上っていました。
 どうも、絶対的な距離の感覚を持っているようですね。ネズミって、まあ、多少の誤差はあるかもしれませんがね。においの方は十分に試しませんでしたが、パラゾールかけらを置いても関係ありませんでしたから、匂いで道をたどるのではなさそうです。
 いいかげんな実験ですが、どうも、ネズミの方向感覚は非常に良いのでは?という気がします。だって、暗黒の中を非常な速度で駆け抜けて、再び暗黒の中をちゃんと戻ってきたりしますからね。一体どんな方向感覚をしているのでしょうか?暇があれば、引出しの中に回転テーブルでも置いてお食事中に方向感覚を狂わせてみるとか実験のしようがあるのですが、ちょっとそこまではできそうもありません。
 どうも、別の階で仕掛けられた殺鼠剤の餌食になったのか?昨日から実験動物としての勤めを果たしに来ませんからね。
 結局、顔を一度も見ずに終わりかと思うとちょっとさびしい気もします。しかし、被害は結構甚大でしたね。レーズンバターロールが4つとチョコレート2箱、カップラーメン1つ、カロリーメート1箱まあ、このあたりが被害でしたね。多分、また新手のネズミが現れることでしょう。それまで、実験の方はしばらくお休みですね。
 今度は、ちゃんとガラスの密閉容器の中に食べ物をしまってありますから、同じようにやってくる可能性は低いのですが、まあ、現れたら、何かの箱で実験装置を作って、本格的に確認してみましょう。
 とにかく、チンパンジーのように光のあるところで視覚的に数を認識するのとはちょっと違うようです。もっと直感的な何かではないかと思った次第です。